そろそろスーツを買い足したいと考えている方、またスーツが必要な職種や部署になってしまい、急遽スーツが必要となってしまった方でこのようにおしゃられている方が多数いらしゃいました。
- 種類が多くて何を選べばいいか分からない。
- 購入するにも選ぶポイントが分からない。
- 何か基準はあるの?
- どこを見て判断したらいいの?
もしこのような疑問がある状態でスーツを購入しに行くのは危険です!
悪い店員にいいように買わされてしまうからです。
こんな残酷なことにならないように生地の選び方についてお話していきます。
- 生地の選び方が分かります。
- ご自身の用途に応じた正しい生地を選べます。
- 市販のスーツでも生地の特性を判断できます。
それでは解説していきます。
スーツの生地を選ぶ前に決めておくこと
スーツを選ぶ前に重要なことは事前にご自身の状況を分かっていないと選べません!
具体的にはこの3つが必要です。
- どの季節に着用するか?
- 着用シーンはどこか?
- 旬を楽しみたいか、長く着たいか?
そこで、どういうことが必要かを解説していきます。
どの季節に着用するか?
まず重要なことはこちらです!
どの季節にスーツを着用したいか決める
スーツの生地も春夏用、秋冬用、通年物など色々あります!
もし夏用が欲しいのに秋冬用のスーツを選べば暑くて仕方ありません。
しかも昨今、クールビズ、ウォームビズなどが当たり前となっています。
だからこそ、どの季節に着用するかは重要な要素なんです!
着用シーンはどこか?
次に重要な事はこちらです!
どの場面でスーツを着るか決める
例えば、お葬式に明るい色のスーツは着て行かないですよね?
そうなんです。
スーツも式用、ビジネス用など用途に応じて選ぶ生地が違うんです!
他にもストレッチ生地や、通気性が良い生地など機能性のある生地もあるんです。
なので着用シーンを考えることもとても重要です!
旬を楽しむか、長く着たいか?
最後はこちらです。
旬を楽しむか、長く着るか
流行の色柄を選ぶか、定番を選ぶか。
スーツの買替時期を考慮に入れて検討してください!
スーツ生地の基本
スーツ生地を選ぶ際に覚えてほしいことがあります!
- SUPERについて
- 番手について
- 季節感について
- 生地の織り方
ここを抑えるとご自身の用途に応じた生地を見つけやすくなります!
それではお話します!
SUPERについて
糸を構成しているのが原毛の繊維です。
しかしその繊維の細さを表す単位が「SUPER」です。
こちらもSUPERの数字の表記が大きくなるにつれ、繊維は細くなっていきます。
具体例を挙げると以下のようになります。
- SUPER80’s=繊維の細さ19.5ミクロン
- SUPER180’s=繊維の細さ14.5ミクロン
数字が大きいほど肌触りがよく光沢が強い高級な生地と言えます。
しかし糸が細い分、耐久性のあまりない生地とも見れます。
番手
糸の細さを表す単位として「番手」というものがあります。
これは重量1,000gの綿を、何メートル伸ばせる糸なのかを表しています。
具体例はこちらです。
- 70番手=1,000gの綿を70メートル伸ばせる糸。
- 120番手=1,000gの綿を120メートル伸ばせる糸。
番手の数字が上がると糸の伸ばせる距離が長くなる分、糸も細くなっているという事です。
なので肌触りがよく光沢が強い高級な生地は番手が大きいものが多いと言えます。
こちらも耐久性があまりない生地ということになります。
季節感
これはオーダースーツのお店限定で使える知識です。
季節感の確認として重さを見てください。
生地を見るときに写真の赤丸のような重さ表記を見つけてください。
このg表記は1mあたりの生地の重さを表しています。
軽ければ薄く、重ければ生地が厚いということです。
それを踏まえて季節の目安はこちらです。
- 春夏:240g以下
- オールシーズン:240~260g
- 秋冬:260g以上
もし季節の見極め方で分からない場合は店員さんに聞いてください。
丁寧に答えてくれるはずです!
生地の織り方
生地の織り方でも季節感が分かります。
ここでは季節による生地の織り方を2種類ご紹介します!
- 春夏:トロピカル(平織)
- オールシーズン~秋冬:ツイル(綾織)
それぞれお話していきます。
トロピカル(平織)
この織り方を平織と言います。
平織には下記の特徴があります。
- 風通しが良い織り方
- 耐久性が高い織り方
春夏スーツの生地に多いです。
ツイル(綾織)
対して、この織り方は綾織と言います。
綾織の特徴はこちらです。
- 糸と糸との隙間が少ない織り方
- しなやかで光沢が出る。
秋冬の生地によく見られます!
スーツ生地の種類を選ぶ
スーツの生地を適切に選べるようになると、こんないいことがあります!
- 物持ちの良いスーツを選べる
- 無駄に高いスーツ生地を選ばずに済む
なのでスーツの生地の特徴を掴むのは重要なんです。
そこでよく使われている生地を解説します。
ウール、ポリエステル混合生地
まずは「ウールとポリエステル混合生地」です。
この生地は市販で売っているなかでは一番どこにでも売っています。
学生服にも通用する話なので一番覚えておいて損はない生地ですよ!
それではお話していきます。
ウールとポリエステル混合生地の特徴
ウールとポリエステル混合生地の生地の特徴はこちらです。
- 生地が硬いので丈夫。
- シワに強い。
- 値段が安い。
- 生地が硬く、着心地はそれほど良くない。
- 静電気が起きやすい。
- シワになると取れにくい。
- 擦れると学生服のようにテカる。
- 毛玉になりやすい。
この生地は耐久性がありシワにもなりずらいのでガシガシ使っていただけます。
しかし光沢がないものが多くポリエステルは安っぽい印象になります。
見た目を重視したい方には不向きです。
この生地の適した使い方
先程のお話から見栄えはそこまで良くないけどガシガシ使えるスーツです。
なので以下の時に適しています。
- 外部の方に会わない時
- 社内での仕事や消耗品のように使う時。
つまり気兼ねなく使いたい時におすすめです!
代表的な生地ブランド
- ビエラーノフィニッシュ(写真左)
- マイクロファイバースパン(写真右)
ビエラーノフィニッシュは光沢があるポリエステル生地が多いです。
なのでポリエステル混の生地の中でも見栄え良いスーツとなります!
対してマイクロファイバースパンはストレッチが少し効いてる生地があります。
すこし楽にスーツを着用したいと方にピッタリです!
ウール100%の生地
次にウール100%の特徴を掴んで頂きます。
特徴はこちらです。
- 生地が柔らかく着心地が良い
- シワになりやすい
- シワになっても回復する
- 値段は高い
- 光沢がある
- 静電気がおきにくい。
ウール100%の特徴はポリエステル混合の生地と真逆の特徴があります。
つまりどっちが良いではなく、用途に応じて選ぶのが正解なんです!
国別ウール生地の特徴
ウールの特徴を知っていただきましたが国別でも特徴が変わります。
今回ご紹介するのはこの2カ国です!
- イタリア生地
- イギリス生地
なぜこの2カ国かというと、理由はこちらです。
ウール100%の生地で市場に出回っているほとんどがこの2カ国だからです。
それではお話していきます。
イタリア生地
まずイタリアの生地についてです。
- イタリア生地の特徴
- イタリア生地の適した方
- イタリア生地の代表ブランド
この流れで解説します!
イタリア生地の特徴
早速ですが、イタリア生地の特徴はこちらです。
- 生地が柔らかく着心地が良い。
- 綺麗な光沢感で高級感がある。
- 色味のバリエーションが多い。
- シワになりやすい。
- センタープリーツが取れやすい。
- 生地の耐久性が低い。
生地の光沢感が綺麗な分、スーツに高級感が出るので見栄えが良いです。
しかし生地が弱いので、着用頻度が多いとすぐにダメになってしまいます。
イタリア生地の適した使い方
スーツに高級感が出るので以下の場面に適しています。
- 大事な商談
- 講演や司会など、人前に立たれる時
- 結婚式やパーティー など
イタリア生地で作られたスーツは見栄えがいいです。
式典やおおきいイベントなど重要な場面で力を発揮します。
イタリア生地の代表ブランド
- 上段左:エルメネジルド・ゼニア
- 上段右:ロロ・ピアーナ
- 下段左:カノニコ
- 下段右:レダ
どれも高級感のある光沢があり、スーツの見栄えはかなり良いです。
上段は高級店として全世界に認知されています。
下段は品質が良くてコストパフォーマンスが高いのが売りのブランドです。
ちなみにカノニコの仕上がりはこちら!
写真では分かりにくいですが、きれいな光沢があり高級感がありますよ!
イギリス生地
次にイギリス生地についてです。
- イギリス生地の特徴
- イギリス生地の適した方
- イギリス生地の代表ブランド
イタリアと同じ流れで解説します!
イギリス生地の特徴
イギリス生地の特徴はこちらです。
ポリエステル混合とイタリア生地の中間的な感じと思って頂ければと思います。
- 耐久性がある。
- シワに強い。
- 光沢がそこまで強くない。
- 地味な色味が多い。
生地感がしっかりしているのと光沢感がそこまで強くない分、誠実で真面目な印象を持たせやすいです。
また耐久性もそれなりにあるので、お仕事には使いやすいスーツです。
イギリス生地の適した使い方
イギリス生地の適している場面は以下です。
- 銀行や公務員等、かっちりした雰囲気にお勤めの方
- 転職等の面接
- クレーム対応 など
光沢がそこまで強くないのにみずほらしくなりません。
それなりに高級感もあるのがイギリス生地の最大の特徴です!
しかもかっちりした印象となるので、一番日本人に適しています。
スーツ屋のスタッフはイタリア生地よりもイギリス生地の方が好みが多かったです!
スーツ好きのお客様も同意見でした!
代表的な生地ブランド
英国の老舗です。
比較的お求めやすいのはジョンフォスターとエンパイア・ミルズ。
玄人好みがテーラーロッジとエドウィンウッドハウスです。
エンパイアミルズの仕上がりはこんな感じです!
素材別、国別スーツ生地の見つけ方
目的の特徴を持ったスーツ生地を見つける方法をお話していきます。
生地タグを見つける
下記の写真のような、スーツの生地を表している「生地タグ」を探してみてください。
タグに「ENGLAND」「ITALY」のような国を表す表記がされています。
そこで生地を識別できますよ!(ただし一部例外もあります)。
「先程のタグはどこにあるのか?」
このことについて具体的な場所についてお話します!
既製スーツの場合
既製服でタグは下記の場所に付いています。
探してみてください。
オーダーの場合
写真のようなバンチブック(生地の見本帳)のほとんどが表紙に国の記載があります。
またバンチブックの1ページ目は写真右のようにタグを張り付けられている事が多いです。
素材表記のタグを見つける
素材を調べるには素材の表記を見て頂ければ確認できます。
では具体的にはどこにあるのかお話します!
既製スーツの場合
大体が写真にあるようにジャケットの内ポケットにあります。
ウール50%、ポリエステル50%のように記載されていることが多いです!
オーダーの場合
バンチブックの生地にシールが大抵貼られています。
そのシールに素材の表記が掛かれている事が多いです!
ちなみに下の写真では、赤丸少し上にウール100%のような記載がされています。
スーツ生地の柄を選ぶ
続いて柄についてです!
柄も印象を大きく変える要素となります。
ここでは一般的な3種類をピックアップしました。
- 無地
- ストライプ
- チェック
それでは3種類の柄についてお話していきます!
無地
オーソドックスで定番です。
フォーマルにも見せやすく、もちろんビジネスでも問題ありません。
シャツやネクタイを選びやすく、コーディネートしやすいのも嬉しいポイント!
個人的には一番汎用性が高いと言えます。
ストライプ
ストライプは一般的にはスマートな印象を与えます。
しかし幅によって印象が少し変わります!
- 小幅:知的な印象
- 大幅:大人っぽい印象
ストライプと一口に捉えず、なりたい印象にあわせるのがベストです!
チェック
チェックも一般的にはカジュアルです。
ただしこちらもチェックの種類により少し変化します!
- 大柄なチェック:カジュアルな印象
- 格子が小さく大人しめのチェック:クラシックな印象
大柄のチェックは職場を選ぶので注意してください。
お堅いお仕事の方は避けられた方が無難です!
柄の特徴を細かく書いた生地がありました。
外部サイトですが、参考になりますよ!
EBISU TAILOR
まとめ
今回はスーツの生地を解説してきました。
まとめると以下となります。
- スーツを購入する前に自分の環境や状況を頭に入れておく
- 生地の大枠として「ポリエステル混合の生地」「イタリア生地」「イギリス生地」がある
- 見つけるポイントはジャケット裏側や袖ののタグで確認する。
ご参考までに^^