オーダースーツを作る際に必ずあるのが「裏地を選ぶ」です。
お客様は生地を悩むくらい裏地を選ぶのも悩まれます。
ただ時間をかけて悩んで、結局、失敗する人も一定数いました、、
特にスーツと一緒にベストも作った方が裏地に選びに失敗しています。
そこで本日は裏地選び失敗しないように、お話していきます。
- スーツとベストの裏地を選ぶ注意点
- 裏地の色の合わせ方
- 個性的な裏地にしたいときに最適なバンチブック
それでは本編をお話していきます。
スーツとベストの裏地を選ぶ注意点
スーツの裏地を選ぶ前に抑えておくべきポイントをご存知ですか?
ここを抑えるだけで選べる裏地の範囲が狭まりますので選びやすくなりますよ!
そのポイント「季節」「素材」「ベスト」の順でお話します。
季節
どの季節に張るかによって裏地の選び方が変わります。
ここでは季節による裏地の張り方を2種類だけお話していきます。
- 張り方①:総裏
- 張り方②:背抜き
それではお話していきます。
張り方①:総裏
全ての面に裏地を貼る方法を「総裏」と言います。
特徴はこちらです。
- スーツの型崩れを防ぐ
- 表地を守る
- 夏は暑い
物持ちを重視する方はこの貼り方がおすすめです。
また全体に裏地があるので、派手な裏地を付けた時のインパクトもあります。
張り方②:背抜き
総裏に対して上記の張り方は「背抜き」と言います。
この貼り方の特徴はこちらです。
- 軽い
- 涼しい
- 一部裏地が無いので、表地が傷みやすい
通気性を重視したい方はこの張り方がおすすめ!
またご覧いただいた通り、裏地が一部抜けています。
派手な裏地でも総裏に比べると派手さは軽減されます。
補足
裏地にも色々あり通気性が良い物やヒートテックのような機能の裏地もあります。
つまり柄だけで裏地を判断してしまうと危険です。
冬なのに通気性が良かったり、夏なのに熱を貯めるというような事になります。
なので、購入後に着用して不快にならないよう選択には注意してください!
裏地の素材
裏地の素材にも特徴があります。
これも用途に応じて選んでください。
それではそれぞれについてお話していきます。
①ポリエステル
この素材の特徴はこちらです。
- 丈夫で耐久性がある。
- 通気性が悪い。
- 汗を吸いにくく、ベタベタした感じの着心地になる。
大抵のスーツ屋の無料裏地が、このポリエステルです。
②シルク
高級な裏地です。
このシルクは裏地に適している特徴を持っています。
- 吸湿性が高い。
- 肌触りが良い。
- 静電気が起こりにくい。
シルクの欠点は耐久性があまりないです。
しかし、きれいな光沢感があるので高級感を演出できます。
光沢が強い生地のスーツと特に相性がいいですよ。
③キュプラ
キュプラはシルク程高価ではないです。
それなのに特徴はシルクとほとんど変わりません。
- 吸湿性、放湿性がある。
- 静電気が起きにくい。
- 肌触りが良い。
デメリットとして縮みやすい性質があり濡れるとシワになりやすいです。
なので雨の日は注意してくださいね。
ベストの裏地
裏地を選ぶ際にベストの裏地は一番気を付けなければなりません。
なぜならベストの背中は下記の写真のように裏地になるからです。
つまり派手な柄を付けるとベストの背中が全面柄となります。
なのでジャケットを脱いだ時のインパクトがすごいです!
職場やお取引会社の雰囲気に左右されますので、ベストを購入する際はより慎重にお選びください。
スーツやベストの裏地で色の選び方
基本的にはお好きな色を選ぶのが一番良いです。
しかし、分からないという方は下記を参考にしてください。
選び方①:スーツ表地と同系色を選ぶ。
私のおすすめはこちらです。
表地と同系色にする。
ありきたりで面白みは無いですが一番まとまりがあります!
とくにベストだけの時は表地と同じ色なので、統一感がありカッコいいですよ。
シンプルが好きな方には特によろしいかと思います。
選び方②:原色は選ばない。
つぎのポイントは下記です。
原色は基本的に選ばない。
原色を選ぶとかなりインパクトがあります。
なぜなら裏地の背中がすごく派手になるからです。
私の実体験でこんなことがありました。
裏地に原色を選ばれたので、原色の色味のリスクを全てご説明。
リスクをご理解いただいた上で、その方は原色の裏地を選ばれました。
そしてお引き取りの時、スーツを見たお客様からこのような依頼が、、
本当に申し訳ないのだけれども、、
裏地を変えれない?
この方もスーツを見た時に思った以上の派手さだったみたいです。
なので基本的に原色は避けた方が無難です。
このとき私は作り替えという形で対応しましたが、お店によっては断れる可能性が非常に高いので、原色は特にご注意ください!
選び方③:色柄をいっぱい使っている柄は選ばない。
つづいての選び方はこちらです。
色をいっぱい使っている柄は選ばない。
端的に言うと合わせずらいです。
理由は以下です。
- 柄がうるさくなる。
- スーツの柄とのバランスもより考えないといけない。
- 場合によっては子供っぽい感じになる。
柄を取り得れる時は、色柄が少ない方が合わせやすいです。
具体的には下記の写真のような裏地なので、参考にしてください!
選び方④:くすんだ濁りがある色味を選ぶ。
最後の選び方はこちらです。
くすんだ濁りがある色味を選ぶ。
くすんだ色味は少しトーンが暗くなり、派手な印象を抑えれます。
その分、スーツにも馴染むので合わせやすくなります。
実際、くすみがある赤の色味はかなり人気でした。
「派手な色を付けたいけど、、、」
このようにお思いの方は、くすみをいれた色味はおすすめです!
個性的な裏地にしたい方へ
個性的な裏地が好きな方は「LBD(リアブラウン&ダンスフォード)」という下記のバンチブックがおすすめです。
海外からの取り寄せとなります。
この裏地を選ぶ際の注意点はこちらです。
上記の注意点はありますが、確実にオーダーらしい1着となります。
ご興味があれば参考にしてください。
成人式のスーツで個性的なスーツを作りたい方にとくにお勧めですよ。
取り扱いの無いお店が多いので、事前にお店に問い合わせいた方がいいですよ!
まとめ
今回は裏地についてお話しました。
記事について以下のようにまとめました。
- 季節、素材、ベストをつけるかどうかをまず決めて、裏地の選ぶ範囲を絞る。
- 色を決めるときはスーツの表地と同系色にするか、くすみを入れた色味にすると合わせやすい。
- 派手で個性を際立たせたい方は、「LBD(リアブラウン&ダンスフォード)」がおすすめ。
以上、ご参考までに^^