前回までの投稿で生地については一通りご理解いただけたかと思います。そこで今回からはスーツの型についてお話していこうと思います。
早速ですがスーツはすべておなじ形だと思っておりませんか?実は違います。スーツの型を気にせず選んでしまうと体型に合わなかったり、単純に見た目が変に見えたりします。
そこで今回は選択ミスはダサいにまっしぐら!絶対に似合うスーツの形を選ぶ方法
というテーマでお話します。この記事を読めば、
- スーツの形を選ぶ方法がわかる。
- スーツの形で他者に与える印象が分かる。
- それぞれのスーツの形のメリットが分かる。
具体的何を知ればいいかというと、「イギリス」「イタリア」の形を知るだけです。
なぜこの2つに絞ったかというと、販売されているスーツのほとんどがどちらかの型だからです。
この内容を盛り込んだのもgentileの前に勤め先のスーツ屋での出来事があったからです。
それはあるお客様をご接客していた時の話です。
その方はかなり明るく話しやすい雰囲気でしたので、すぐに仲良くなりました。
仲良くなれたことで色々なことをお聞きできたのですが、そのお話の中で
せっかくオーダーするので足をすこしでも長く見えるようにしたい。
とおっしゃられました。深くお聞きすると子供のころに足が短い事でイジられたこともあり、それ以来コンプレックスだったそうです。
このようなお悩みを話していただけたので私はイギリススーツをおすすめしました。
なぜならイギリスの型は足が長く見えやすいと知っていたからです。
そして納品の日。ご試着して頂いたところ、
今までで一番見栄えが良い!
とおっしゃていただけ喜んでくださいました!
こういった経験からスーツの形一つで改善される悩みもあると実感したので、今回ブログでスーツの型をお話しようと思いました。
それでは前置きはこれくらいにして本編にいきますね^^
はじめに
まず覚えてほしいことがあります。それは「肩パットの厚み」「ボタン位置の高さ」です。
この2つはとくに他者に与える影響がおおきく、そしてイギリススーツとイタリアスーツの印象の違いにもおおきく関わってきますので重要です。ではお話します。
肩パットのあつみ
まずこちらの画像をごらんください。

この写真を見比べて頂いて、なで肩の方よりもいかり肩の方が力強い印象に感じると思います。
そこでスーツの話にもどすと肩パットにあつみがあるといかり肩に近くなります。
つまり肩パットにあつみのあるスーツは力強い印象となります。
ボタン位置の高さ
先程とおなじように下の画像を見比べてください。

2つボタンのジャケットより3つボタンのジャケットの方がカチッとした印象となります。
つまりボタン位置が低いと柔らかい印象になり、ボタン位置が高い方が真面目な印象となります。
この2つのことを踏まえてイギリスとイタリアのスーツの違いを見ていきましょう!
イギリススーツの特徴
まずはじめにイギリススーツの特徴です。
大きくいうと特徴は2つだけです。
- 肩パットがしっかり入っている。
- Vゾーンが狭い(ボタン位置が高め。)
さきほどの覚えて頂いたことを踏まえると、
見た目に力強く重厚感があり、真面目な雰囲気のスーツと言えます。
このスーツは以下のメリットがあります。
- ボタン位置が高いため、足長効果がある。(※補足)
- スーツの基本形なので、流行にあまり左右されずに着れる。
※補足に関して
左記の画像をご覧ください。
左のボタンの位置が高いことがお分かりいただけるかと思います。
このボタンが高い位置にある効果として
- ウエストの絞り位置が高くなる。
- 人の目線がボタン位置に集まる。
つまりウエスト位置が高いと腰もその高い位置のあたりにあるように感じるので、足が長く見えるということです。
イタリアスーツの特徴

次にイタリアスーツの特徴です。
こちらの特徴も大きくいうと2つだけです。
- パットが薄め
- Vゾーンが深め。(ボタン位置が低い。)
つまりイギリススーツに比べて力強い感じは弱まるので、全体の雰囲気がやわらかくなります。
そしてイタリアスーツのメリットはこちらです。
- パットが薄いので、肩回りの着心地が楽。
- ボタン位置がやや下目なので、胸板が厚い方はジャケットのおさまりが良くなる。(※補足)
※補足に関して
ボタン位置が低ければ写真の赤丸の大きさが示すように、胸に余裕を持たすことが出来ます。
そのゆとりが胸に厚みがある方のストレスを軽減出来、なおかつジャケットの襟が浮くこともおさえられます。
つまりジャケットのおさまりが良くなります。
注意点
スーツを選ぶ際は必ず試着をしてください。なぜなら鏡越しに見た場合に、
- 体型と合う合わない
- イメージとかけ離れていないか
が分かるからです。
実際に私の先輩は説明だけを聞いたときと試着した後でスーツの形が変わりました。
この話はgentileでなく前職のスーツ屋に勤めていたときで、私の先輩がお店に来店したある日のことです。
その日は接客もスムーズに進み生地がすぐに決まりました。そしてスーツの形を決める段階になったので、私はスーツの形の説明を行いました。一通り聞き終えた先輩は
イギリスの形が良い
と言い出しました。しかし私が試着してほしい旨を伝え、実際に試着したら
イタリアのスーツの方がかっこいい
と言い当初の意見を変更したのです。そして最終的にイタリアの形のスーツを購入していました。
こういったこともあるので、試着は大事です。
まとめ
イギリスとイタリアには以下の特徴がある。
そして自身が着用している姿とスーツの型があっているか確かめるため試着はかならず行うことが重要。
以上、ご参考までに^^
今回でスーツの型を理解していただいたので、それに付随するお話を次回「スーツのデザイン」でお話します。