前回でイギリスとイタリアスーツの形を知っていただき、それぞれが持つ印象を理解して頂きました。
そして今回はその続きでスーツのデザインをお話しします!
この記事を読めば、
- 見た目に影響するスーツのデザインがわかります。
- オーダースーツ購入時に自分から提案ができます。
- ビジネスとフォーマルの両方で使えるデザインかそうで無いかを理解できます。
今回のお話するデザインはスーツの見た目が変わる部分ですので、覚えておくと店員さんに要望や指摘をしやすいですよ!
むかし私のミスでこんなことがありました。お客様にデザインをお聞きしながら専用の用紙にチェックしていくのですが、襟のチェックを「ノッチ」に付けないといけないのに「ピーク」につけていました。私は専用用紙にチェックを終えて採寸の準備で一旦席を外しました。準備がおわりお客様のところに戻るとお客様から
襟のチェック付け間違えてるよ。
とご指摘されました。びっくりした私はあわてて記入を訂正し、なぜ分かったのかとお伺いすると、
スーツの用語を知っていたんで。
とおっしゃれました。そのときスーツをはじめてオーダーするので事前に調べていたそうなんですが、そのお客様がデザインの用語を知っていたことで、誤ったデザインにならずに済みました。
私のミスは最悪でお恥ずかしいかぎりですが、デザイン知識があることで皆様が間違いに指摘できるのならと今回のブログに盛り込んでいます。
それではデザインについてお話します。
ジャケット
まずはじめにジャケットの型についてお話します。
ジャケットには大きく分けて2種類あります。
シングルスーツ

一般的によく見る形で、ビジネスにおいても冠婚葬祭においても使いやすく汎用性が高い事が特徴です。
ダブルスーツ

日本の企業で着用されている方が少ないため、あまりビジネスとしては現段階として向いていません。しかしクラシックな印象かつフォーマルに魅せれるデザインなので、式典や冠婚葬祭に適しています。
さらにシングルスーツを細分化すると、こんな感じです。
現在の主流となっている2つボタンと3つボタン(段返り)の見た目はほとんど変わりません。写真にあるように襟の裏にボタンがあるか無いかの違いのみです。
逆に3つボタンは現在ではほとんど見かけなくなりました。
※補足

3つボタン段返りは注意しないといけません。
それはボタンの留め方です。
前の投稿で一番下のボタンを留めないとお伝えしましたが、3つボタン段返りは一番上のボタンも留めません。
つまり真ん中のボタンのみ留める仕様ですので、ご注意下さい。(左画像)
襟
おおきく分けて3タイプです。

①ノッチ
- 一般的な形で、ビジネスや冠婚葬祭問わない。
②ピーク
- ドレッシーな感じなので、結婚式や式典向き。
③ショール
- タキシードで使われ、フォーマルな襟。
ピーク襟のスーツはドラマで着用されている俳優さんがいらっしゃったので、認知されてきています。
しかしすこしドレッシーな感じで個性的な印象なので、一般的な企業でお勤めされている方はノッチ襟が無難でおすすめです。
個人的にはあえて襟で個性を出す必要もないかと思います。
ポケット

フラップポケット
(写真:左)
- 一般的なポケットタイプ
スラントポケット
(写真:中央)
- 少しななめになっているポケットで視覚的に細く見える。
チェンジポケット
(写真:右)
- 右にポケットが二つある形。英国発祥で、もともとはチップ入れ。
スラントポケットとチェンジポケットは英国発祥です。どちらもはじめは実用性を考えられ作られました。
- スラントポケット:手を入れやすいように
- チェンジポケット:チップ入れ
しかし実用性よりもスラントポケットの視覚的に細く見えるデザインや、チェンジポケットのデザインのカッコよさで選ぶ方が多いです。
ベント

①センターベント
- ビジネス向き
- すらっとした印象
②サイドベント
- ビジネス向き
- クラッシックな印象
③ノーベント
- 冠婚葬祭向き
- 一番フォーマルな形
ベントに関しては現在1か2のどちらかになる事が多いです。
その中でもサイドベンツは実用性がたかいです。
なぜなら横が切れているのでパンツのポケットに手を入れやすいからです。
またベントの印象から
- センターベント ⇒ 細身のサイズ感の方
- サイドベンツ ⇒ すこしゆとりのあるサイズ感の方
というふうに合わすのがおすすめです。
パンツ
パンツのデザインは「ノータック」「タック入り」を覚えて頂ければ良いかと思います。

ノータック
(写真:左)
- スラっとしたスッキリした印象になる。
- 細身のサイズ感と相性が良い。
タック入り
(写真:右)
- 太もも周りに余裕がうまれる。
- クラシックな印象。
- 標準サイズや太めのサイズと相性が良い。
タックについて

先程から言っているタックとは何かというと画像の赤丸部分のことです。
この折り込みが入る事で太もも周りに余裕が生まれます。なのでスポーツをしていて太ももが大きい方は特におすすめです。
裾

- シングル(左):一般的かつ汎用性が高い
- ダブル(右):カジュアルな感じの印象
シングルはフォーマルであるので、汎用性が高くなります。
逆にダブルはフォーマルには使えません。しかしカジュアル感が少しありオシャレに見えます。
なぜダブルがお洒落に見えるかというと、理由は二つあります。
- シングルの人の方が多いから。
- 細見のスーツに裾をダブルにするとシルエットが綺麗だから。
つまりダブルの絶対数が少ないことで周りから際立ち、さらに全体のシルエットもきれいなのでオシャレな人に見えるということです。
ちなみにダブルの幅は4㎝が標準で、太めで4.5㎝、細めで、3.5㎝が適量です。
(身長が160㎝前後の方はダブルの幅は3.5㎝を標準幅とした方がいいです。)
まとめ
- 襟型がノッチかつシングルジャケットが一般的で汎用性が高い。
- 3つボタン段返りやポケットのテイスト、裾をダブルに変えるとオシャレなデザインに出来る。
- スポーツで太ももが発達された方はタック入りのパンツにするのがおすすめ。
以上、ご参考までに^^
今回は見た目に影響が出るデザインを学びました。
なので次回は見た目に影響ないオプションについてお話します。