早速ですが本日は生地の種類シリーズで、「ゼニア」についてです。
「高級店という事は聞いたことがあるけど良く知らない」、もしくは「聞いたこともない」という方もいらっしゃるかと思います。
ではゼニアはどのくらいすごいかというと、高級車で例えるならベンツ!
スーツ業界ではそのくらいの地位と名声を築いています。
しかしこうは思わないでしょうか?
そもそもゼニアってどういう会社?
値段が高いけど品質は本当にいいの?
信用度はどのくらいあるの?
こういった疑問がある方は高級店の本当の所知りたくないですか?
そこで本日はスーツの高級ブランド!ゼニアというスーツにおける「ベンツ」の全貌というテーマでお話します。
この記事を読めば、
- ゼニア社について詳しくなります。
- ゼニアの生地の特徴が分かります。
- ゼニア社が信頼における理由が分かります。
実際にゼニアについては本当に良く問い合わせがある生地の一つです。
高級生地なので値段が高いですが、ゼニア目当てで来店される方もいるくらい人気があります。
それでは、スーツ業界において不動の地位を気づいているゼニアについてお話していきます。
【ゼニア社について】

最初にゼニア社がどのような会社なのかを
- ゼニア社の歴史
- ゼニア社の考え
- ゼニア社の実績
をお話していきます。
歴史
ゼニアは現在までに2度ビジネスを成功させています。
- 生地会社としての成功
- ブティックとしての成功
まずはこの2つを分けて、簡単にそれぞれお話していきます。
生地会社としての成功

「世界で最も美しい生地をつくりだすこと」を夢を抱き、1910年に北イタリアの町トリヴェーロで自身の会社を始め、高品質かつ高級な生地は世間から支持を得る事で、ブランドとしての評価を高めていきました。
創業以来、常に世界展開というビジョンを持ち続けており、1938年のアメリカの輸出を皮切りに、1940年ころには世界40カ国で販売され、全世界にゼニアという名前が知れ渡りました。
ブティックとしての成功

ゼニアの2代目社長が自社の生地を使ったスーツ、ジャケット、パンツ、シャツ、コート等の既製服の販売も行うことで、販路を広げていきました。
イタリア国内で評価を勝ち取った後に、1980年には初めてのブティックをパリにオープンし、これに続いてロンドンやミラノにもショップをオープンさせ、世界的な高級ブティックとしての地位も確立していきました。
歴史のまとめ
- 一貫して高品質かつ高級な生地を提供していた事
- 生地会社としての成功とブティックでの成功
この2つの要因から、現在の高級ブランドとしての価値となりました。
ゼニア社の考え
創業時から
「環境や地域社会を大切にしていこうとする文化があって初めて、製品の品質の高さも意味を持つ」
という考えの元に経営をしてきたので、自然環境の美しさや、 自社の従業員だけでなく、すべての人々 の幸福が、企業にとって長期的な成功を収めるうえで欠かせない要素として捉えています。
そのためにスイミングプールや学校、病院、そして道路などを自身の街に建設したり、ウール工場を取り巻く丘陵地帯に、大規模な緑化プロジェクトも立ち上げています。
ゼニア社の実績
- 現在、世界100以上の国に500以上の店舗展開をしている。
- 高級紳士服の約30%がゼニアの生地を使用している。
- 国家元首や世界の著名人が着用している。
百貨店の中に入っていたり、ルイヴィトンやエルメスといったハイブランドと並んで店舗を構えている処からも、ブランドとして相応の実績を評価されたと言えますね。
では簡単に歴史をつかんでもらった上で、次に重要な生地のお話をしていきます。
【ゼニアの生地について】

ゼニア社がどういう生地をあつかっているかを
- 生地の特徴
- 代表的な生地
- 価格帯について
の流れでお話していきます。
生地の特徴
生地の特徴は下記のような感じです。
- 軽くて、肌触りの良い質感
- 高級感のある艶
- 上品かつ品が良い
これだけの品質にするために、原料をかなり厳選しています。
オーストラリアの契約農場から買い付けた羊毛から『脇と肩の高品質の部分だけ』を使用し、その他の部分は使わず、そこから作られた糸も細さ、長さ、色、密度、強度などを検査して、自社の基準を満たした糸だけを使っています。
つまりゼニアのスーツに使われる糸は、糸の中でもエリート中のエリートという訳です。
代表的な生地
エレクタ
ゼニアのド定番生地のです。
エレクタはこれから紹介するゼニアの生地(トラベラーとトロフェオ)よりも少し太い糸を使っているのと、オールシーズン生地が重さ250g/m前後に対して、エレクタは重さ約300g/m前後あり、生地自体に少し重さあるのが特徴の秋冬生地です。
機能面はビジネスマンにとって嬉しい物が多く、
- シワに強い。
- 耐久性がある。
- 高級感があるツヤ。
- 仕上がりに重厚感があり、仕立て映えする。
特徴があり、ビジネスシーンで重宝します。
トラベラー
生地を織り上げる段階で防シワ・摩擦加工を施しており、深いシワでなければハンガーに掛けて翌朝まで置いとけば元通りに回復するような生地です。
簡単に特徴まとめると、こんな感じです。
- シワに強い
- シワからの回復が早い
- 高級感あるツヤがある(エレクタには負ける)
スーツ屋在籍時、電車で座って通勤が多く、背中に良くシワが付いていました。出社後、シワの部分に霧吹きをかけておいてシワを伸ばすのですが、この生地で仕立てたスーツは1時間もかからないくらいで元に戻ってました。
実体験からも回復力はかなり高い生地と思います。
※注意
・8月以降発売されているトラベラーは秋冬生地の可能性が高い。(生地の重さ290g/mが多い)
・1月以降発売されているトラベラーはオールシーズン生地の可能性が高い。(生地の重さ250g/mが多い)
・深くシワが入ってしまうと一晩おいてもシワは回復しません。霧吹きやアイロンをしてあげてください。
トロフェオ
ゼニアでもっとも有名な品種で、ゼニアを代表する生地です。この生地はゼニア社での原料品評会で優勝した原料からさらに一定規格の糸の細さのみを使用しているので、
- 肌触りがかなり良い
- 綺麗すぎる光沢感(エレクタ以上)
- 抜群の着心地の良さ
が特徴として挙げられます。一度ゼニアのお店に行って着させてもらいましたが、着た感じはスーツでなくカーディガンでした(笑)
このスーツは糸が細い分、耐久性に欠けるので、私個人的には普段使いはやめた方が良いと思います。しかし、それを補うだけの品質や着心地、見栄えの良さがあります。
着用シーンとしては大事なお客様との商談、プレゼン、結婚式等の式典などにピッタリです。
ご紹介した生地3つのまとめ
- エレクタ:秋冬定番のビジネス生地
- トラベラー:出張用のビジネス生地
- トロフェオ:艶が綺麗で式典向き生地
他にも夏定番生地の「クールエフェクト」やトロフェオ以上の品質の「ミルミル」がありますので、ゼニアは奥が深いです。
価格帯について
お店によっても変わりますが、スーツ上下で10万円前後といったところです。
しかし、ゼニア直営店や高級ブティックになると、既製服でさえ平均価格が40万円前後してきます
購入する場所により相当変わりますが、値段が上がる分仕立ても良くなるので、相応の価値のあるスーツとなります。
【ゼニアが信頼における理由】

愛用者がとにかく多い。
国内外問わず政治家の方が着用されていたり、海外のセレブと言われる方々が愛用されています。
勿論国内にも多数の愛用者がいます。具体的には
渡邊謙さん
松井秀樹さん
松田龍平さん
佐藤浩市さん など
このような方々が私服で持っていたり、また映画祭などのセレモニーで着用されたりしています。
セレモニーのような重要な場所でゼニアを選ぶという事は、そのような場所において最も相応しいと思われているスーツといえますね。
ゼニアを仕入れている企業
ゼニアを仕入れている企業もたくさんあります。
- キトン
- ブリオーニ
- アルマーニ
- エルメス
- ヒューゴボス
- ラルフローレン 等
主に高級店がゼニアを仕入れていますが、生地として高級というブランド価値があるからこそ、ゼニアの生地が各高級店に認められています。
スーツ屋に勤めていた時の感想
実際に勤めていた時、下記の印象がありました。
- ゼニア目的のお問合せや来店が数多くあった。
- 値段的に購入出来なかった方が、「いつかは買いたい」との声が多かった。
- 仕上がり時、ゼニア生地に対して好印象かつ評価が高かった。
ベンツやロレックスに似た感じだと思いますが、ゼニアを「憧れのスーツ」として捉えられている方が非常に多くいらっしゃいました。
なので「高級だが男の憧れ」という認識がブランドとしての価値をさらに高めていると思いました。
また元々、ゼニアについて知らなかった方も出来栄えに満足されて、「ゼニアはすごく良い物」というブランドの認識に繋がっていました。
【まとめ】
- 一貫して高品質と高級感のある物を提供し、生地会社とブティックの成功による確固たる高級ブランドとしての地位をつけた。
- 細かな検査の基準を満たした糸だけを使用しているので、全ての生地が高品質になっている。
- 男性に「憧れ」としても認識されているので、自身のブランドの価値をさらに高めている。
以上、ご参考までに^^
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