早速ですが前回のゼニアに引き続き、今回も生地の種類シリーズです。
今回はロロピアーナについて語ろうと思います。
このロロピアーナと聞いて、
高級店という事は聞いたことがあるけど良く知らない。
聞いたこともない。
という方も多いのではないでしょうか?
高級店の本当の所知りたくないですか?
そこで今回は
実はルイヴィトン!高級ブランドを魅了するロロピアーナ
というテーマでお話します。
この記事を読めば、
- ロロピアーナ社について詳しくなります。
- ロロピアーナの生地の特徴について分かります。
- ロロピアーナ社がどれだけ信頼されているかが分かります。
実際、お店に来られる方でロロピアーナを知らないという方はいらっしゃいます。
しかし、この生地をお見せすると
この生地はいいやつやろ?
と見ただけでおっしゃられます。
そこまでスーツに詳しくなくても分かるみたいです!
前置きはこれくらいにして本編をお話していきます。
前回のゼニアの生地が気になる方はこちらからご覧ください。
スーツの高級ブランド!ゼニアと言うスーツにおける「ベンツ」の全貌
【ロロピアーナ社について】

最初にロロピアーナ社がどのような会社なのかを
- ロロピアーナ社の歴史
- ロロピアーナ社の考え
- ロロピアーナ社の実績
をお話していきます。
①歴史
1924年にピエトロ・ロロ・ピアーナがイタリアのクアローナでカシミアとウールの生地メーカーとして創業しました。
一貫して最高級の原料と生地にこだわった事で、オートクチュールのための生地のサプライヤーとして知名度を確立しました。
1980年代に入ると既製服とアクセサリーの製造販売も始め販路を拡大していきます。
2013年に高級ブランドLVMH・ルイヴィトングループの傘下に入ることで、さらなる知名度の拡大に成功しました。
このルイヴィトングループに入ったことで出店スピードを支援されるようになりました。
その影響もあって店舗が増加し、さらに商業圏を拡大しています。
②ロロピアーナ社の考え
ロロピアーナは
「最高の製品のみを保証する」
という考えの元に経営をしているため、原料から生産に至るすべてにおいて妥協がありません。
まず原料は、トップラインと呼ばれる良質なメリノウールや、最高級のカシミア、「アンデスの女王」と呼ばれている※ビキューナを買い付けており、どれも品質が極めて良い物だけを選んでいます。
また生産に至っては、紡績~製品化のすべての工程を自社で一貫して行い、さらに職人の手で丁寧に生産しています。
このような過程を踏んでいるロロピアーナは最高の原料で最高の製造を行って出来た商品と言え、企業の考えである「最高の製品のみを保証する」を体現しています。
※ビキューナについて
ラクダ課の動物です。ロロピアーナがこの動物の毛をなぜ買っているかというと、この動物の繊維は神々の繊維と呼ばれるほど世界で一番細いと言われており、ビキューナで作った製品は肌触りがよく、かつ高級感のある綺麗な光沢がでるので、非常に上質になるからです。
またビキューナは、
- ビキューナ1頭から採れる量は2年に1回で、しかも120~150gだけしかない。
- その昔のインカの人々が崇拝していたビキューナから採れる繊維は皇帝一族だけが使用できた。
ということもあるので、希少性もかなり高いです。
③ロロピアーナ社の実績
- 毎年、Super100’s以上のトップレンジ原毛を全体の30~40%買い付けている。
- ペルー政府からビキューナの公式な取扱商として認められた数少ない服地メーカー
- 2020年6月1日(月)、東京・銀座、中央通りに旗艦店をオープン
品質の良い原毛を多く買い付けていたり、ビキューナの取扱商として認められていたりと、原料のこだわりが凄いですよね。それだけ基準値の高い商品を作り出そうとしている現れですね。また2020年はコロナの影響があったにも関わらず、日本に出店しているのは、すごいですね。
【ロロピアーナの生地について】

ロロピアーナ社がどういう生地をあつかっているかを
- 生地の特徴
- 代表的な生地
- 価格帯について
の流れでお話していきます。
生地の特徴
生地の特徴は下記のような感じです。
- 軽くて、肌触りの良い質感
- 色気があり高級感のある光沢
- 上品かつ品が良い
前述のとおりかなり品質の良い原料だけを買い付け、製造も丁寧にしているからこそ、見栄えや肌触りにも反映されているのです。
代表的な生地
つぎにお話するのは生地の特徴についてです。
ロロピアーナの中にも色々な生地があります。
しかし数が多いので、個人的に以下の3種類に絞りました。
- タスマニアン
- ムービング
- ジーランダー
それでは順番にお話していきます。
①タスマニアン
ロロピアーナの名前を世界に知らしめるきっかけとなった代表作です。極めて上質なSuper150’s タスマニア産メリノ・ウールを原毛に使用し、ロロピアーナの高い技術力により極細の糸にして織り上げた生地です。
特徴として
- 柔らかな手触り
- 高級感漂う光沢。
- 耐久性と防シワ性が高い。
- 吸湿性が高く、発散作用がある。
さらに言うと吸湿性は重量の約30%までの水分を吸収することができ、発散作用により水分を空気中に放出することができるので、一年を通して快適な着心地になります。
この機能性があるので、世界中のビジネスマンに愛用されています。
②ムービング
ロロピアーナが初めてライクラ(ポリウレタン)を使用した生地です。オーストラリア産のSuper120’sメリノウールの中にライクラを織り交ぜる事でストレッチ性能を持たせています。
特徴は
- ストレッチ性があり、伸縮力がある。
- 耐久性がある。
- 吸湿性がある。
- 肌触りがよい。
ロロピアーナの高級感に動きやすさを追加した生地で、これもビジネスマンにとって最適な生地と思います。
③ジーランダー
ニュージーランド産のウールを使用した目付約300g/mの秋冬向けの商品で、オーダーメード向けに展開せれている生地です。
では、この生地の特徴というとこんな感じです。
- 耐久性と防シワ性が高い。
- 適度なハリがある。
- 高級感のある光沢感。
- ロロピアーナの中ではコストパフォーマンスが良い。
ちなみに春夏用の「ジランダードリーム」という生地があり、それの目付が230gでかなり薄くさらっと着れるのが特徴です。
ご紹介した生地3つのまとめ
・高級感のある綺麗な光沢が持ち味。
・機能性の高い生地も多い
前回のゼニアは男らしい光沢なのですが、ロロピアーナはどちらかというと繊細さがある女性的で色気のある光沢感という印象です。
なので発色に関しては特にロロピアーナの強みだと思います。
価格帯について
お店によりかなりバラつきがありますので一概に言えませんが、簡単にまとめておきます。
①ロロピアーナの直営店の場合
- 既製であったとしても30万円前後
- どの生地を選ぶかにより価格は更に上がる可能性もある。
- オーダーであればこれ以上の価格になる。
②その他
- 価格帯8万~15万円
- 生地は「super130」もしくは「FOUR SEASONS」が多い。
その他のお店を具体的に上げるならばSHIPS、麻布テーラー、Global Style等があります。
【ロロピアーナが信頼における理由】

①ルイヴィトンの傘下であること
2013年にロロピアーナ社はフランスの高級ブランドであるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループの傘下となりました。
親会社が世界的に有名である高級ブランドの傘下に入れたという事は、ロロピアーナの会社としての品質や技術が認められた事になるので、ロロピアーナの商品は品質が良いという裏付けになる証拠ですね。
②ロロピアーナを仕入れている企業
ロロピアーナを仕入れている企業もたくさんあります。
- キートン
- ブリオーニ
- ベルベスト
- イザイア 等
世界の高級ブランドに生地を提供しているので、ここからも品質の良さが認めれていると言えると思います。
③スーツ屋に勤めていた時の感想
ゼニアは「憧れ」なイメージがあると前回伝えました。
対してロロピアーナはおしゃれな方に刺さる生地だと思います。なぜなら
- スーツを買う買わない問わず、お客様が目に留める確率が高かった。
- 生地の色味で、お客様がイメージされている色味が必ずあったこと。
- おしゃれに敏感な年齢の方(20代~30代の独身)の購入率が高かった。
という事が勤めていた時の印象にあるからです。
さらにいうと、お客様と一緒に来られていた方の奥様や彼女さんが気に入る傾向があり、特に女性に対して高評価でした。
これは女性の商品も扱っているロロピアーナだからこそ出来る色味や柄のセンスだと思います。
【まとめ】
ロロピアーナは
- 一貫して品質の良い物を提供している会社。
- 女性が好感を持つ色気のある綺麗な光沢感がある生地。
- 親会社がルイヴィトンというバックグランドの信頼性。
以上、ご参考までに^^
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